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SAROMAN BLUE 鈴木健司

SAROMAN BLUE 鈴木健司

2017サロマ湖100kmウルトラマラソン完走記

2017年に入ってから振り返るとreric直営店の新宿高島屋とコレド日本橋のオープン準備や、開店からの店舗回しなど3月一杯はかなりドタバタしていて練習時間の確保ができていなかった。
それでも2月は東京マラソンに向けて事前に1回練習してキロ7分ならば問題ことを確認して、目標をグロスタイムでのサブ5に設定し4時間58分でクリア。
翌週の小江戸大江戸も7分からスタートし、2日目は8分~9分ならば刻めると東京マラソンの状況から判断し、ゴール順はブービーの35時間47分14秒でクリア。
そこからは更に翌週末にはreric×Onで多摩湖練習会34kmをこなし、1週間空けて3月末には大阪で初めての練習会5時間走を開催し、35kmを走った。3月は1大会、2日間の計3回の走りで走行距離は270kmを超えた。2017年累計は325kmとなった。
また4月なってからはバタバタ時期に入り、走行距離は0km。彩湖ウルトラマラソンの応援などには駆け付けて刺激を貰ったが、走ることはできなかった。
そこで5月はウルトラマラソン完走クリニック&マラニックの開催にして、仕事と走り込みを一緒にすることに(^_^;)更に日光ウルトラ(エントリーはしてないが)試走会のイベントも立案し、5月14日に世界の竹田さんの案内でいろは坂を中心に約42kmを走破。しかし1ヶ月以上空いてしまったカラダはボロボロ( ̄▽ ̄;)特に特に下りでは膝下がカックンカックンしてしまうのに加えて、腰の張りも強く出てしまったが現状を確認できたことでヨシとした。これで367kmと。
ウルトラマラソン完走クリニックは平日夜開催と、日曜日と土曜日に行い、マラニックは相当ゆるゆるになってしまったが、皆さんには繋がりを深めるコミュニケーションランとして成立したのではないでしょうか。5月21日は23km、6月3日は28kmと走ることができた。確実に元に戻す流れはできている。この時点では左ハムの違和感が出るのが、速いペースだと90分。ゆっくりで25kmという感覚があった。これをゆっくり(6分10秒~40秒)で30kmまで延ばせれば、サロマ湖本番は問題ないと思っていた。
6月にはrericとして今年最大のイベント『富士ヒルクライム』が10日と11日開催。僕も参加するこのレースに向けて自転車に乗っておかない!ということで、クリニック翌日の柴又100Kには自宅大宮から自転車応援を計画!片道40km。柴又で待っているのも大変なので、埼玉県杉戸町までの40kmを往復し、柴又で22時まで最終ランナーを見送ってから大宮までの40kmを走った。トータル160kmで20時間の柴又100Kとなった。かなりハードスケジュールで補給も河川敷でままならず、炎天下での応援でかなり消耗した。ハンガーノック寸前で帰宅したのは午前0時だった。ご存じの通り唇にヘルペス大量発生はこれが要因。まあ好きなことしているので、自己管理がなっていないということです。それでも2日後には富士ヒルクライムに持っていく為に、ジテツウ片道40kmを敢行した。
そして翌週は富士ヒルクライムの前日販売→レース→当日販売→翌日棚卸とハードな週末となった。レースも24kmのヒルクライムは1時間44分06秒だったが、力の入りすぎでふくらはぎは痙攣( ̄▽ ̄;)腰はパンパンと、3週間前の追い込みにはちょうど良かったかも。
富士ヒルクライムの代休を6月14日にいただき、21kmをキロ6分ペースでリズム良く走ったが、18km辺りから失速。それでも左ハムに痛みが出るのが少しずつ遅くなっていたし、疲れとして残る感じも減っていった。続けての6月17日はレース想定のペースで展開。11km程度ではあったが、無意識にレース序盤のペース作りができるように確認した。最後にカラダを動かしたのは6月20日の午後代休のタイミングで、熊谷に戻った富士ヒルクライムの時の自転車をピックアップするためのジテツウ(片道のみ)47km2時間05分。これも意外と距離があり、向かい風と合わせて苦しむ展開に(^_^;)
ここからはゆっくりすること、体重を落とすことを心掛けたが、結果体重は増加する展開に( ̄▽ ̄;)重い分腰が心配になった。そして本番の天気予報を確認する。いつも通りたくさんの荷物でどんな天気にも対応するが、本番は想定以上の風に悩まされた。

北海道入りとなる土曜日は珍しく午後便での出発。高尾山に行く家族に置いていかれました(^_^;)近くなってからウェルカムパーティーでの記念品授与のご指名をいただき、さらにランネットショップから過去20回分のメダルを持ってきて欲しいとの依頼に応えたら大荷物。
湧別町でメダルを預けてからウェルカムパーティーと流れました。会場には新グランドブルーメンバーと新サロマンブルーメンバーが招待され、代表として登壇&スピーチ!(聞いてなかった)(^_^;)感謝の気持ちを伝えてなんとかクリア。これで明日はリタイアはできない。
悠林館に戻ったのは18時前。豪華な夕飯を前に腹一杯に詰め込んだ。その後お風呂に入り、翌日の準備をして21時前には就寝。明日の天気は悪い方へと進み、一日中雨の予報に。明日は午前2時起床となる。

予定通り起床すると外は音を立てての雨が降り続いていた。気温はそれほど低くないが、雨足が予想よりも激しく屋根を叩いている。昨夜たくさん食べたのでお弁当は少しで済ませる。トイレを催すこともなく、午前3時の出発に合わせてロビーに集合した。
会場までのバスに乗り込む際から、想定しているウエアリングで行く。これは体感気温を肌で感じるため。バスの中は暖かいし、実際の気温をスタートのウエアで感じることで探っていく。また会場に到着すれば室内で待つことはできるので、寒さは凌げるからだ。悠林館の大石社長と女将の寺山さんに完走の約束をしてバスを降りたのは午前3時50分。
いつも通りの場所に待機し装備を確認。とりあえず皆が揃っているうちに記念撮影を済ませて準備に取り掛かる。雨が止む気配はなく、荷物預け、トイレ、整列に向けてそれぞれが行動を始めた。僕は前方に並べるので、スタート後も追い付かれる立場。バラバラのスタートでもほとんどの方と会えるので、4時20分の段階で荷物を預けに移動を始める。
ここで今年のウエアリングをご紹介。
足元からOn CloudにCEPハイソックス&ハーフタイツで固める。股関節周りにはニューハレIテープを片脚3枚ずつ使用。
アンダーシャツはreric フォランスノースリーブ、reric カルメエアロジャージ、ゴアテックスキャップにニコちゃんバンダナにアームウォーマーを準備した。雨の降り方にもよると考えたが、reric ゲミニウインドブレーカーもポケットへ。ビニールポンチョはなし、後半用にレインジャケットを預けるが本降りが続くようならばと念のために準備した。

前日受付の体育館がサロマンブルー控え室となる。人数も多いので荷物預けと、先輩グランドブルーランナーにご挨拶。『今年から仲間入りさせていただきます!』続いてトイレ休憩は体育館を抜けて正面玄関から出ていったところの空いているトイレへ。トイレ大の必要はなかったので、小は並ばずに済ますことができた。そしてスタート付近の広場でへろへろの皆さんとご挨拶。記念撮影を行ってスタート地点へ向かう。
まもなくスタート15分前。雨は止む気配はないが、気温は高い。これだけ朝から降っているのは僕の記憶では初出場の1993年。気温も低く雨が激しく降り続いた年だ。僕自身はランシャツの下に半袖だけ重ねて、下はランパンのみ。キロ6分で走り、立ち止まることもなく、ゴールタイムも最初で最後の自己ベスト10時間45分59秒だったので寒さはあまり気にならなかった。ワッカは水溜まりがたくさんあり、くるぶしまで浸かる程に。そしてゴール地点は今のゴールの先にある野球場内だったので、足下は泥だらけだった想い出がある。それ以来となる1日雨予報で激しい降りの中でのスタートとなった。
並ぶとアート時代のお客さんの深瀬さんとガン克服から自己ベストを更新する大久保さんにお会いできた。15分間はおしゃべりしているとあっという間に過ぎていった。スタート前からの濡れは最小限にしたかったので、ウインドブレーカーを羽織りファスナーは開けたままでスタートを迎えた。
午前5時スタート!
足元の水溜まりに注意しながら沿道の応援に応えながら走っていく。コーナーを曲がりいつものセンターライン上を確保。轍には水が溜まり避けなくてはいけない。それでもコーナーには激しく水が溜まり渋滞がおきる。湧別の街を周回してくる中で今日の風の状態を確認する。天気予報では終日北風の様子。となると、竜宮台までは追い風、30kmまで向かい風、国道から追い風、ワッカ往路は向かい風と想像がついた。実際にスタートしてみると、その風速は強く雨も横殴りになってくる。遮るものがなにもないので仕方ない部分だが。足元を気にしながら走っているので、あまり集中できていない感じがある。とりあえずは皆さんから声を掛けていただきながら距離を進めていこう。
雨は雲の切れ間もあるようで、強くと弱くを繰り返す。基本的に雨は好きだ。台風でのえちごくびき野なども経験しているし、対策は問題ない。なぜ好きかと言えば、こんな雨の日に練習はしないから!水遊びのような感覚で、こんな日に走れるなんて楽しくて仕方ない!と感じている。

5km 32分06秒

スタートラインまで14秒あった中でのタイム。自分としては昨年よりは軽いが、やはりカラダが動いていないなという感覚。心拍数は135前後で推移。涼しさがここに繋がっている模様。カラダへの負担を確認しながらそのままのリズムで走る。
ここで追い風を確認し、汗ばんで来たのでウインドブレーカーを脱いでバックポケットへ収納。そして電解質として『イオンチャージ』タブレットを2粒舐めていく。グレープフルーツ味で苦味もあるが、塩っけもあるがしょっぱくはない。これはこまめに舐めていこう。
まだまだ後続ランナーに抜かれる状態。皆さんから『ゴールドゼッケンおめでとうございます✨』『ゴールドゼッケンカッコイイです❗』など声を掛けてもらいましたが、1番嬉しかったのは『ゴールドゼッケン似合ってますよ✨』の言葉。やはり特別感が昨年までと違う。継続したことが形になることは嬉しい。
遠くに見える林を抜けると10kmになる。心拍数は変わらない。呼吸も問題ない。雨にさらされていることも変わらず。おろしたてのOnのシューズが水浸しなのはテンションが下がるが、それもカラーをブラック×ホワイトにしたので洗えば気にならないはずだ。そして踵のホールド感や左右のブレはない。今まで履いていたシューズは普段履きから愛用していたので、アッパーも含めて崩れていた。このフィット感ならばソックスが動いて水ぶくれができる心配はない。

10km 1時間04分53秒 32分47秒

思っていたよりも速いリズムで刻めていた。それは追い風のお陰だと感じた。心拍は135前後の推移は変わらない。竜宮台に向けての一本道を進んでいく。エイドでは水を取り、INPARAを一本注入。そしてスポーツようかんを取り出して食べる。朝御飯を控えめにしたおかげで、トイレが近いことはない。
途中のパレスホテル前のトイレや被り水と併設しているトイレには長い列ができている。こちらは寒さにより少しだけ行きたくなっていたが、我慢できる状態だったので走りに集中した。

15km 1時間38分30秒 33分37秒

先頭ランナーの折り返しを迎えてからは、知り合いのランナーを探して進んでいく。反対側からも今年のウエアは見つけやすいようでたくさんの方に声を掛けていただいた。ハイタッチでペースが上がるなか、竜宮台に到着。足元の水溜まりを避けながらトイレに行くことを決意。いつも湧別サロマ湖太鼓の演奏をしている場所の仮説トイレが4つあり、ランナーはゼロ!これはチャンス!と50m先から反対側に渡ると直前のランナーが横断して2番目になった。
ストレッチをしながら時間を費やして、用を済ませて約2分と計算。次のラップで確認しよう。竜宮台の奥へと進んでいく。サロマ湖でしか会えない方ともここですれ違うことができる。楽しい時間だ。竜宮台の折り返しを経てやはり強い向かい風が立ちはだかる。昨年はこの時点で風雨が強まりかなり寒さを感じた。今年はその状況が続いている。時折、落ち着いてきて良かったと思うのは束の間だ。

20km 2時間11分36秒 33分06秒

トイレ2分を加えてもタイム(リズム)は変わらない。これは追い風の影響か?飛ばしているつもりはないのだが少し抑えて進む。20kmで9分の貯金は上出来だ。久し振りに安心な貯金が。そして折り返しを目指すランナーがまばらになる頃に、自分のカラダの状態を確認する。
近年にない良い走りで貯金はできているが、問題は?ここで昨年の失敗を再度思い出し、10km毎と決めていたイオンチャージを2粒舐める。これで痙攣対策は問題なし。忘れずに10kmずつに消費していこう。
そしてペースは?いつもよりも練習できていないが大丈夫か?重いところは?違和感は?
太ももの重さを少し感じるが姿勢の維持で解消できている感じ。しかし向かい風になり、この後に冷えてきそうだ。再びトイレ休憩も必要となりそうなので、しっかりと解していこう。
補給は?エイドでバナナを貰って食べた後に、ベスパオーガニックのきな粉を頬張る。一気に食べなければ水がなくても大丈夫。噛みながら満腹感を出していく。
雨の中を走り続けているが、頭を守っていることもあり芯から冷えることはない。汗の掻き方も当然ほとんどない状態。雨がクールダウンしてくれているので非常に楽に感じるが、この気温から下がってくるようだと後半厳しくなりそうだ。グランディアからは対策をしないといけないかも。
そして2回目のトイレ休憩に。例年には1回目となる場所で今回2回目のトイレ。5つのトイレに5人目として並ぶ。これもかなり空いている方だ。
並ぶと同時に太ももの前側をストレッチ。屈伸しただけでも前ももの張りを感じる。掌でプルプルと揺すりながら解すようにする。そして股関節を大きく動かしてから、股割りの動きでしっかりと稼動域を確保する。動きの中で前屈はやはり左腰に痛みが走る。ようやくトイレが空き、用を済ませて約4分程度でレースに戻ることができた。

25km 2時間48分46秒 37分10秒

トイレ休憩含めてこの時間。マイナス4分と考えれば、エイドの分だけ遅くなってきたという計算でOK。焦る必要はない。待っている間のストレッチで脚は回復した感じに。このまま30kmまで何事もなく進みたいところだ。
この道は暑くなるとランナーが日陰を目指して道の左から右、右から左へと流れるのだが、2014年以降の天候ではその動きも見られない。皆、足元の水溜まりを気にしながら走っているので、いつもよりもランナー通しの会話も少ない気がする。それでも僕のことを見つけてくれる方からの温かい言葉に楽しく走ることができて感謝している。
竜宮台の折り返し一本道から戻り分岐点に差し掛かる。この先また開けた道になるので、更に風の影響を受けることになりそうだ。30km手前でへろへろのりきさんと並走する。りきさんは体重は軽くなったのに思ったよりもカラダが動かないとのこと。『この向かい風のせいだと思いますよ。』と国道に出れば変わってくることを伝えた。

30km 3時間24分15秒 35分29秒

僕自身もエイドの補給を加えながらも35分に対しての貯金はできているが、それもほとんどない状況になってきている。それでも約6分の貯金を確認して国道を目指した。
りきさんとエイドで一緒になり国道まで並走する。この辺りで一旦雨は弱めになっているが、雲の流れがあるので止むようなことは期待できない。国道に出ると風は追い風に変わる。
寒さを感じるのは雨だけになることは幸い。体感気温の差は大きい。35kmに向けて国道を進み、昨年の痙攣ポイントを通過。問題なく行けそうだ。

35km 4時間00分51秒 36分36秒

向かい風半分、追い風半分にエイドは1回。これで36分台ならば許容範囲。45km以降の登りに向けて貯金がないと厳しくなってくる。下り坂の先に緩やかな登りがあり、その先にエイドがある。そして芭露までは下り勾配で走れるコースが続く。
エイドまでしっかり走り水分とバナナを貰って、更にINPARA GELを注入する。立ち止まらずに歩きながら食べて進む。国道沿いも水溜まりが激しいが急がず慌てず流れに任せて走っていく。この距離でも抜かれることが多いのがいつものスタイル。向かい風で後ろに着いていたりきさんも順調に前に出てその距離が離れていった。
芭露の町が近づいてくる中で、僕はいつも通り車道を走る。歩道の細かいアップダウンや斜めになった部分が走りにくいからだ。エイドが見えてからは直前まで走ることを意識しながら到着。これが疲れてくるとできなくなる。ここはエイドの周りが広くないので、パンを一切れ貰うだけでスタート。この先の橋を渡ると40kmになるので、様子を見ながら行こう。

40km 4時間37分33秒 36分42秒

この遅れはエイドが2回挟まっているからだ。2回のエイドで約2分と考えれば遅れていることはないが、貯金は4分とやや消費してしまった。45km以降の登りを考えると50km5時間50分プランからは遅れが出てしまいそうだ。
過去を振り返ると50kmで想定の5時間50分をオーバーすることはあまりなかった。しかしここ数年は遅れている。練習量の低下はいままで通り。強いて言えばやはり腰の痛みが影響している。左脚の稼動域はかなり悪いのでストライド自体は小さくなっている気がする。
42.195kmの側道に入るまではカラダの状態としては重いことは重いが、脚を止めることはなかった。しかしここで呼吸というよりは、太ももの脚の重さで一旦歩きを入れた。1分も歩くことはなかったが、冷えからくる筋肉の硬直が原因と考えた。パンパンと脚を叩いたり、掌で擦ったりしながら様子を見る。

42.195kmは4時間54分。悪くはない。あと8kmを56分で行くと50kmは予定通り。再度遅れが生じることを確認して、先程と同じ37分台のラップで刻めれば良しと切り替える。月見ヶ浜の平坦で歩いてしまうことはないが、常に姿勢を意識するようにして歩を進めた。そして今回3回目のトイレ待ち。ここは5台に3人だったので早く回るかと思いきや意外と待つことに。トイレ大は全く影を潜めているので、それはありがたいことだ。約3分で復帰。その後の被り水で手を洗って再び国道に出る。
さあこの先の45kmまでの平坦と、その先の町境の登りが迫ってきた。集中力を切らさないようにして、平坦を乗り切る。

45km 5時間15分14秒 37分41秒

トイレを差し引けば36分以内には刻めている。このまま36分台キープに目標を定めて、50km通過を5時間55分以内に設定する。
登り坂に差し掛かりしばらくは呼吸が上がらない程度まで走り続ける。心拍数は160を越えないのがポイントだ。そして歩きは呼吸が落ち着いたらとし、また残りの登りを走りきった。
続いての下りは今回ペースが上がらない。いつも飛ばそうとはしていないのだが、腰が落ちてきているようでブレーキを感じる走りだったので、鼻から息を吸って修正する。真下に脚を落とすイメージで解消することができた。下りきるとその先に50kmの坂が見える。
さて、遅れはどのくらいになっているだろうか?

50km 5時間54分33秒 39分19秒

4分で収まった。そしてラップは落ちてきたが、39分台となっているので、この先もエイドを使いながら、そしてトイレ休憩が発生しても40分以内で刻める見込みがたってきた。
50kmから直ぐに歩き出し、電柱走りに切り替えて坂を登る。電柱手前10mまで走り、歩く距離は10mのみにしてリズムを作る。坂が長いので呼吸が上がりすぎるようならば歩きの距離を伸ばして調整する。51km表示で8分以内ならば問題ないのだ。下りに入っての51kmは手元のラップで8分を越えたところだった。
この先のエイドまで緩やかな下りが続く。飛ばしすぎないように、ブレーキを掛けないように下っていく。2kmちょっと先にグランディアのエイドもあるのでここでは水分補給と合わせてジェルを投入する。大エイドの時間短縮は必須。しかし平坦になって52kmから53kmまでの間で脚が重くなり歩いて小休止。坂道に入る前にはなんとかリズムは取り戻したが、この太ももの前側をどうにかしないと不安な部分を感じた。エイドにはボディライトクリームを預けてあるので、筋肉の硬直を和らげるのとホホバオイルの効果で寒さ対策を目的として使用しようと考えていた。
グランディアに向けての登り坂をランナーの列に加わりながら進む。こうすれば歩いてしまうことのないように意識できる。なんとか走ったままグランディアに到着。アールビーズの春城さんと和田くんが迎えてくれた。

出発時間を6時間30分と決めて準備を進める。荷物を受け取り、俵おにぎりを1つ。そして水を貰ってからスペースを探す。とは言え屋根があるはずもなく、荷物を預ける所の側で後半戦の準備。ポーチの中身を補充した後に袋からボディライトクリームを探すが見当たらない( ̄▽ ̄;)『マジっすか!?入れたはず・・・』ここにあまり時間は掛けたくないので、荷物を預けようかと思ったが、今の脚の状態は後半の厳しさに繋がるので、もう一度袋の中身を探る。すると、『あった~!』レインウエアの下に隠れていたようで、素早く取り出してハーフタイツをめくり太もも前側に塗り込む。そして左のお尻からハムストリングスに掛けて塗る。掌の残りは露出している腕回りに塗り込んで完了!荷物を渡して、アミノバイタルを受け取り坂道を歩いて登り始める。この間約4分。トイレは55kmの仮説トイレと決めていた。

55km 6時間38分03秒 43分30秒

今年から以前あったトイレがなくなり仮説トイレが2つだけに。それでも約2分でパス。トイレは小だけで済んでいるので時間のロスは少ない。そしてラップタイムはグランディアを含めてかなり短縮できた。このトイレ込みで45分は上出来だ。ここから80kmまでは休憩込みで40分を死守したい。昨年の80kmが10時間05分だったが、今回の風はワッカでは往路が向かい風になる。30km付近の体感からすると気温も下がりそうだし、ゆっくりでいいから歩きも含めての45分は確保したいところだ。
ワッカでの最大の高低差をクリアしてからの56km,57km,58kmはボディライトクリームの効果も出てきたようで足取りは少し軽くなった。59kmから再び湖畔に戻り、遠くに60kmのテントが見える。7時間20分であれば予定通りと考えていたが、到着すると意外なタイムとなっていた。

60km 7時間16分36秒 38分33秒

トイレを含みこのタイムは脚の動きが良くなった結果だ。寒さで動かなかった股関節周りがボディライトクリームの効果で解すことができた。エイドでバナナを貰って呼吸を整える。INPARA GEL も投入しエネルギーをしっかりと補給する。
この先のキムアネップではいつもペースダウンしてしまうので、しっかりと走りたい。65km8時間以内が理想だ。そうすれば5km40分よりも少しだけ貯金ができる。
エイドを離れてからの登り坂。時折歩きも混ぜながら息が上がらないように注意する。幌岩を左折し下った先がキムアネップだ。右手の見下ろす方向に魔女森の姿が見える。今年は雨を凌げる場所としてどう感じるか?元々陽射しを遮ってくれるので、暑い時には非常に助かる。そこでしっかりとリズムを作り直して70km以降を迎えられる。今回はキムアネップを抜けてくる風を遮断してくれれば良いと思っていた。
キムアネップに下りてくるとやはり風はサロマ湖からの横風に。湖を渡ってくる風がいつもよりも冷たい。体温を奪われる感覚になるので、ここで歩いてはダメだ。トイレポイントにもなっているが、ここでは必要なし。エイドを目指して走る。
エイドでもスペシャルドリンクの用意はないので(陸連登録者のみ)ドリンクを貰いポーチの中身で済ませる。スポーツようかんを取り出して半分は歩きながら、そして魔女森を前に走り出して残りの半分を食べる。
エイドではテント脇で膝に手を当てて休むランナーの姿も多くなってきた。ここから先は制限時間が少しずつ気になってくる。おそらく僕の姿を見つけてドキッとした方もいるだろう。こちらはとにかく自分のリズムで守りきるしかないので、先へ進んだ。
魔女森を少し入ると64km。ここまで平坦であれば休憩を挟みながらキロ8分のペース+αだ。65kmは8時間に対して少し貯金ができることを確認。これはトイレ休憩として利用することにしよう。

65km 7時間57分34秒 40分58秒

魔女森に入るとやはり風を遮断してくれる。しかし林が途切れる場所では物凄い勢いで風と雨が吹き込んでくる。風雨にさらされない状態で走れることはエネルギーも無駄に消費しないので良い部分だった。魔女森を抜けるとユースホステルの66km。その後の私設エイドへと繋がっていく。ここでは温かいお茶を用意してくださっていた。少しだけ口に含み、残りは指先を洗うように使う。ジンワリと血行が良くなるのがわかる。走りながら掌を動かしながら冷え対策をする。
佐呂間大橋を渡り斉藤商店へ。いつも通り挨拶を交わすと『今年は随分人が多いねえ』と。寒い方が完走率は上がるが、今年もその傾向か?でも雨が続き過ぎているので、低体温になってしまう方も多いと感じた。こちらでも凍らせたブルーベリーと温かいお茶をいただいた。
70kmに向けて佐呂間町から北見市常呂町に入る。その手前のエイドでは北海道限定リボンナボリンが毎年用意されている。このエイドでしっかりと補給しないと次は74km手前の鶴賀リゾートまで補給はない。ここでもバナナとINPARA GEL を投入する。この距離に来ての5kmは速くても40分掛かってしまう。さらにキムアネップで受けた冷たい風をまた横から受けることになるだろう。走り続けるにはエネルギーが必要だ。

70km 8時間37分57秒 40分23秒

70km関門をこの時間に通過したのは久し振りな気がする。いつも8時間40分は越えていたり、ここからキロ8分以内を意識しての電柱走りになりがちではあるが、今回は鉄板の80km10時間に持ち込めそうだ。70km計測をして一旦段差のある歩道に上がり歩いて進む。70km地点に向かう際に歩道が狭いので、ある程度のグループになっていように感じた。こちらのリズムで歩きにくくなっていたからだ。
集中して走ることは良いのだが、僕の場合はその流れでは速すぎる場合が多い。自分が作っているリズムで走っているのらば問題ないのだが、同じ先頭にいる場合でも押されている感があると、オーバーペースになってしまう。僕の練習量では続かないので離脱したい気持ちになるのだ。
歩く時には補給!このタイミングではオキシーショットを原液で流し込む。
走り出しても今度は抜かれることが多い。後続から来るランナーは関門時間が迫ったランナーなのでキロ8分を維持していたり、更なる貯金を求めてペースを上げていることが多いからだ。僕自身はこのキロ8分(歩き込み)で問題なく関門、ゴールの13時間は見えているのでここで無理はしない。皆さんにはギリギリは怖い。脚が動かなくなってしまったら貯金がないと間に合わなくなってしまうからと言われるが、今無理する方が僕にとっては負荷が大きいのだ。
走りに集中しながらも、首が前に出てしまうので肩甲骨周りを解す為に腕を回したり、上を向いたりすることでリラックスにも繋がる。
昨年72.5kmの被り水エイドの子がティッシュペーパーを用意してくれていたが、今年はこの雨ではさすがに居なかった。でも去年はとてもありがたかった!大きいエイドでは自前で用意しておいた方が良いと思っていたのにやはり忘れてしまう(^_^;)
まもなく鶴賀リゾート。今年は温かいそうめんとおしるこがあるだろうか?いつもそうめんは売り切れ、おしるこは餅なしとかになるのだが。
テントに到着するとラスト2個のそうめんに間に合った!そしておしるこは山ほどある。ここで小休止。熱々のおしるこは急ぐと火傷しそうなので落ち着いて食べる。へろへろのりきさん、ゆきちゃん、たまちゃんが先に出発する。
こちらも追い掛けるように出発したが、トイレ小を催して来たので並ぶことに。雨を凌ぐテントにはリタイア車を待つランナーの姿もある。動けなくなってから外で待つのは辛そうだ。
トイレの列は短く前にはウルトラマラソン完走クリニックや練習会に参加してくれているnakadaiさんの姿も。トイレのタイミングで前後して出発となった。
さて74kmを抜けてサイクリングロードに差し掛かる。このサイクリングロードの水捌けの悪さは折り紙つきで、雨になると相当溜まる。水だけならばいいのだが、泥を伴うので足元はグチャグチャになってくる。まだこの辺りは平気だ。両側の林を抜けると対岸のワッカを走るランナーが見えてくる。その手前に75km。

75km 9時間19分44秒 41分47秒

トイレとそうめんおしるこタイムを差し引けばキロ8分で十分に走れている。ある程度平坦が続くのでここでリズムを作り、80km10時間が見えてくる。ここで今回は何度もレース中に前後する吉田さんとじょーじさんのコンビが後ろからやって来た。今回は吉田さんの調子が良くなさそうと見てとれたが、話し掛けてくれる際にはいつも高いテンションで盛り上げてくれる。そのタイミングでじょーじさんの奥様ルーシーさんが応援カメラマンとして待っていた。誰よりも高いテンションで素晴らしい応援でランナーを後押ししてくれる行動力が素晴らしい。力をいただいた。
この77.5kmの被り水付近から水溜まりが酷くなって3ヶ所くらいは道路にカラーコーンが並んで迂回する感じになっていた。滑らないように注意しないといけない。
78kmを越えてコースは再び平坦に戻る。ワッカの入口となる倉庫が先に見えてくる。沿道にはタイ国旗を持った応援団が、仲間が近くにいるようで声援を送っていた。ゴール後この方達との繋がりができることになるとは夢にも思わなかった。
79kmの看板を抜けて左折すると80km手前のエイドだ。次のエイドは復路での95km地点。しかしそこは水だけになってしまう。ここで固形物はしっかりと食べておかないと!ということでバナナを貰って歩きながら進む。時計を見ると残り600mだったので10時間で行けることを確認する。
さてここからは声掛けを始める。知り合いのランナーはたくさんいるので名前がわかる方には名前を。全く知らない方には笑顔で!そして『ラスト!ガンバです!』とあと4kmを切ったランナーに声を掛ける。毎年のことではあるが、元気に応えてくれる方や、お前も頑張れよ的なお返しをいただくことも。このエール交換がワッカでは欠かせない。

80km 10時間00分51秒 41分07秒

関門を突破すると僕のブログを観ていただいている方から声を掛けていただく。ここに居れば大丈夫という安心感が皆さんにとってはとても重要だ。一方で僕が前にいるからと不安になっている方がいることも事実。しかし自身のペースを維持してしっかりと走っていればワッカの中で追い付けるはず。その目印として自分のリズムであるキロ9分でしっかりと刻んでいく。
キロ9分と言っても僕の場合はゆっくり走り続けて刻むものではない。走り出したらキロ8分くらいになる。そのリズムが長く続けば早くゴールできるのだが、坂道があれば歩いてしまう。その組み合わせでキロ9分を刻むのだ。クリニックでも『僕よりも前に!』とお伝えしているのは、一緒にいると『こんなところで歩くの?』と思われてしまうからだ。自分のリズムで刻み、僕に追い付かれなければ大丈夫。皆さんにも自身のリズムで走ってもらった方が楽なはずだからだ。
原生花園手前の林を抜けると右にオホーツク海。左にサロマ湖を望むことができる。林に居るときにはわからなかったが、予想通り強い向かい風が吹き付けてくる。雨は少し収まり、空も若干明るくなってきた気がする。この先15kmを走りここに戻ってくる時には(ラスト4km地点)どんな状態になっているだろうか。冷たい手を擦りながら坂道を降りていく。
サロマ湖を初めて走る方にとってワッカ原生花園は目標物がないので、どこまで走ったら折り返しなのかまったくわからないことに不安を感じてしまう。遠く左手にワッカネイチャーセンターの建物が見える。あそこから自転車でコースまで出てくると東屋がありエイドになっている。折り返しの91.5kmの関門地点でもある。約5km先に目標とすると集中して走るには長いので、ここはしっかりと距離表示を確認しながらペースを刻むこと。折り返し地点の88.5kmを頭に入れておけば確実に近づいている実感がある。後半のペースの把握は気持ちを切らさずに前に進んでいる確認には適していると感じる。『このペースで間に合いますか?』の質問をしばしばされるが、これは目標が明確ではないからだ。小さな目標をクリアしていくことで、ゴールという目標はしっかりと近づいてくる。
僕は声を掛けながら『ナイスランです!ガンバです!』時折ハイタッチを交わしながら折り返しを目指す。たくさんの知り合いのランナーや一緒に泊まっているランナーに加えて、今回総勢16名となっている鈴木健司ツアーのランナーとも声を掛け合って盛り上がる。『今年は大丈夫そうだね!速いなあ!』いやいや決して速くはありません。僕の後ろには関門を越えて前を目指すランナーが途切れないので、ギリギリの位置には見えないのだ。

85km 10時間44分42秒 43分51秒

45分に対しては少し貯金を作れるペースでの走りとなる。このリズムで問題ない。更に向かい風のコンディションを考えると悪くはなく、良いくらいだ。動き続けてはいるので冷えきることもなく走れている。補給もスポーツようかんを食べながら走ることで空腹感もなく、カラダも温められている。
しばらく進むと東屋が見えてきた。折り返して91.5kmの関門地点だ。エイドもありここでもバナナを食べる。約3kmで折り返し地点。自分の中の90km関門11時間30分に対しては少しだけ余裕はあるが、この先の大きな橋を渡る部分もあるので気を抜けない。エイドも橋のたもとにあるので、帰りのみの利用とする。
折り返しまでは若干ではあるが登り勾配。坂とまではいかないが、緩やかにアップダウンを繰り返す形で進んでいく。折り返しの橋が正面に見えてくるとやや登っていることに気が付く。
歩きを混ぜながら声掛けを怠らずに走る。ようやく近づいた手前のエイドをパスしていよいよ橋に差し掛かる。すると物凄い勢いで風が吹き付ける!ゴーッという音が耳を塞ぐ。またランナーのビニールやウインドブレーカーが風でなびく音が尋常じゃない程響いていた。そして更に急な登り坂が加わり最後の?試練が待ち受ける。『折り返したら追い風ですよ!』と声を掛けてもらい、折り返しを目指す。
ようやくワッカの折り返し地点に到着!再び来た坂道を登り進んでいくと、しっかりとカラダを推す追い風がサポートになる。折り返しを目指すランナーに声を掛け合って今度は90kmを目指した。
その前にエイドに到着。こんな寒いなかでエイドのボランティアの学生達が盛り上げてくれる。『温かい麦茶あります!』『ありがとう!』長居はせずに歩きながらINPARA GELを投入する。
ここからは次のエイドまではやや下り勾配。追い風と合わせて走り続けたいところではあるが、左腰が原因で出る左ハムストリングの違和感や、姿勢を維持できなくなることが要因の腰張りなどがあるので、あくまでもリズムは変えずに歩いては走り、走っては歩くを繰り返す。

90km 11時間28分59秒 44分17秒

さて、この10kmは平均で5kmを45分以内に収めてきた。ワッカに入ってからも順調で脚が動かなくなるスピードでは走っていない。このペースならば負担も小さくキロ9分が刻めるリズムを守り抜いた。ここから先も変わらないリズムで行こう。
91.5kmエイドではスイカをいただく!みずみずしくて美味しかった!ワッカ原生花園内は終始雨は降らずにいる。風も追い風ではあるが、横から受けるとカラダには冷たさを感じてしまう。僕の場合はアームウォーマーだけで調節を繰り返した。見た目的には超寒そう!と思われたかもしれないが、アンダーシャツやアームウォーマーで問題なく対応できた。
ここでアートスポーツ時代からのお客様で富士五湖などのウルトラでもご一緒する荒井さんと一緒になった。今回は脚がかなり痛みがあるようで『着いていこうかな』と僕のリズムで並走された。僕は『たぶん途中で歩いたりするんで、ご自身のペースの方が楽だと思いますよ!』とお伝えする。そして『90kmで残りキロ9分で間に合うのでこのペースでピッタリだと思います。12時間58分台ってところですかね(笑)』1km毎の表示でペースを確認しながら走っているので、92kmではラップタイムが17分40秒。93kmでは26分50秒となかなか貯金は貯まらない。無理して走り続けている訳ではないので、脚が止まる心配はないことで僕のなかでは問題なく進めているのだ。
94kmに向かっての下り坂で僕は無理をせずに歩いて降りる。どちらかと言えば平坦で走る方がカラダの状態としては走りやすいからだ。そして走り出せばキロ8分くらいのリズムで300m走れれば十分。実際にはそんなにもっていない。94kmで15秒貯金の35分45秒を確認して、95kmの給水エイドのテントに目をやり走っていく。

95km 12時間14分03秒 45分04秒

『荒井さん、キロ9分に対して15秒の貯金です!大丈夫ですね!』とお伝えすると『15秒!心配だなあ(^_^;)』と荒井さん。ラスト4km地点となるワッカ原生花園のサイクリングコースの折り返し地点を目指していく。坂の手前まではなんとか走りを多くして、歩く登りに備える。
ラスト4km表示も12時間23分32秒。なかなか貯金は増えないが、これで良し!荒井さんは『ちょっと心配だから先行くね』と脚を引きながら自分のペースで先を行った。走れるのに歩くリズムは合わなくなる。歩いているのに辛いと感じてしまうのは、自分なりのリズムを皆持っているからだ。『どうぞ最後楽しんで!』と見送って僕も走り出した。
ワッカ原生花園から林の中へ。ここから風はあまり感じなくなるが、気温が下がってきたようで一層空気が冷たくなるのを感じた。80km地点の関門には警備の方が立っているだけで、ランナーの足音しか聴こえない。残り3km。しっかりとゴールを目指すランナーがまだまだたくさんいる。そして下り坂に入り、いよいよ最後のエイドに到着だ。
あとは平坦。2kmちょっと。『あと20分!走れば間に合うよ!』とボランティアの方から声が掛かる。エイドを後にして、左に曲がるとラスト2kmの看板がある。ここでウルトラクリニック繋がりで今回も同行している庄司さんの姿を探した。いつも80kmで追い付いてゴールでは庄司さんが先なのだが、今回は最後の最後で調子が上がらないようだ。足取りはしっかりしているが、マイペースで刻めれば大丈夫だろう。
こちらは逆に走れず、ワッカ原生花園の入口から前後していた、同じく今年からグランドブルーメンバー入りを果たした さんと共に進んでいく。前夜祭でも『今年もブービー狙いですか?(笑)』と訪ねてくる さん。『いやいや狙ってませんから。歩かないと持たないので。』と会話を交わし、一緒に登壇した。僕のリズムに合わせてくれて『せっかくだから一緒にゴールしませんか?』と言ってくださった。なかなかグランドブルー同士のゴールもないと思ったのと、グランドブルーメンバー同期生ということでお願いすることに!
ラスト1kmに向けて少しペースが上がったかな?残りは10分ある。これはもう大丈夫だ。側道に入り、ゆっくりと脚を進める。時折歩いては再び走り出す。そしてこちらもワッカ原生花園で前後していた さんからも『一緒にゴールさせてもらえませんか?』とあり『是非是非!』と3人で常呂町民センターを目指した。
今年も寒いなかたくさんの方がギリギリの僕を待っていてくれる。大声援の中をハイタッチしながらゴールへ向かう。右折すると斉藤商店のおばちゃんもハイタッチで迎えてくれた。ギリギリまでハイタッチに応えながら、最後は3人で手を繋ぎ21回目のゴールテープを切った!

100km 12時間59分39秒 45分36秒

ゴールタイムは21回の完走で昨年の12時間59分11秒を大きく越えて、制限時間21秒前の最も遅いゴールとなった。
昨年はグランドブルーリーチのプレッシャーも少し感じながら、川の道の疲労が抜けずかなり苦労した。それに比べると雨は続きましたが、僕の中では非常に走りやすい状態。正にイメージ通りのペース配分をしっかりと刻めたと思っている。
初出場の1993年から25回目のサロマ湖。【初心忘れるべからず】と言われているような1993年以来の大雨。夏のサロマはいつ戻ってくるのだろうか。
これからもサロマ湖には挑戦するだろう。家族にはワガママ言わせてもらっている。もう少し食べるのを我慢して貯金しないと家族で行くことはできない。少しでもいいから今から数年後に向けてサロマ貯金を始めていきたいと思った。
また今回も総勢16名でのサロマ湖ツアーとなり、その中から大木さんと直江さんがサロマンブルー達成となった。皆さんアートスポーツ時代のお客様。そしてアールビーズ時代の柴又ランナーだったりと、色々な繋がりで楽しく走らせてもらっている。
今はrericでたくさんのウルトラマラソン完走クリニックを開催し、今年からは実走も多く加えている。それにも今回サロマ湖で同行した方々が、ボランティアでサポーターとして協力してくれている。とてもありがたいことである。
キッカケが自分であることも嬉しいし、皆さんがどんどん強いランナーになっていくのをスゴいなあと感心してしまう。お会いした時に、『鈴木さんに会っていなければウルトラ走っていませんでしたよ!ありがとうございます!』という言葉をいただくと感無量です。
皆さんが作るウルトラマラソン挑戦の高い壁を切り崩すのが僕の役割と思っています。僕も私も自分にも走れるんじゃないか?と思ってチャレンジする背中を押してあげること。そしてそれが自分だけでなく周りのランナーがウルトラランナーになってくることで、情報交換や不安要素を解消するコミュニケーションになる。ウルトラはお互いがライバルではなくゴールを目指す仲間なので、ひさ1人で練習している方などには是非練習会や座学に参加していただきたい。

長々となってしまったが、今年も無事に楽しくサロマ湖を走らせてもらいました。皆さんからの声援が僕を支えてくれています。どこかで見掛けたら声をかけてください。2017年のウルトラ予定はありません。しかし練習会や座学などreric鈴木健司として全国各地で活動していきますので、皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。ありがとうございました。


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